掲載2005/12/03
厚生労働大臣様
2005.11・22

申請者氏名 住所 東京都国立市谷保5781−1 川田キヨ子
被災者氏名    川田 直 24才 (長男)
勤務先      安田コンピューターサービス株式会社
現        みずほトラストシステムズ
職種       システムエンジニア
被災日      1996年9月26日 死因 過労自殺

東京地裁八王子支部にて係争中 原処分庁・三鷹労働基準監督署

 長男「直(すなお)」は入社後半年で過労自殺しました。わずか24才でした。入社前の「コンピューターは未経験でも大丈夫、ゼロからのほうが癖がつかなくていい」との説明に反して十分な研修を受けることなく(前年の半分)、ベテランでも難しい現場に配属されました。新入社員の個々のコンピューター操作理解度も把握しないままの機械的な配属で、また現場の指揮系統もあいまいで、わずかメモ1枚で指示するという日常的にひどい状況でした。「直(すなお)」は課題と実際のスキルの落差に悩み苦しみ必死に努力しました。しかし目標に達せず強いストレスにさらされました。このストレスの中で「直(すなお)」は7月頃よりうつ病を発症しました。8月頃には同期の社員にも体調の不調がわかるようになりました。会社にはメンタルヘルスの体制もなく、うつ病の適切な対応もせず、病気を放置し、その上退職願いを提出した後も出社させるなど、うつ病を一層増幅させ「直(すなお)」を自殺に追い込みました。

 労働保険審査会の決定も不支給でした。私はその決定に納得できません。その内容は、ストレス評価表の「職場のOA化が進んだ」という項目だけを当てはめ、ストレス強度Tと判断した不当な決定だからです。

 コンピューター労働は労働時間の長短や、一面的な本人の脆弱性ではかたづけられない深刻な側面を持っているのです。コンピューター労働の職場は緊張度もストレス度も非情に高いことが昨今の研究で明らかになっています。またコンピューター労働は精神の出口を塞ぐという事実です。融通のきかないコンピューターと向き合い集中力と責任感を問われながら、常に情報やデータ、数字だけを追う作業が続き仕事全体の姿が見えなくなり、人間としての思考能力に決定的な影響を及ぼし、場合によっては深刻な精神疾患を招くことがあるということです。

 システムエンジニアの特異な職種の労働の質を正しくとらえ、このような悲惨な事故を防ぎ、二人目の「直(すなお)」と、私のような辛い思いをする母親を二度と出さないためにも早期に労災と認め、事故防止の対策を立てていただきますよう強く要請致します。
                               以上