意見陳述書

2007年2月13日 原告 川田キヨ子

 私の訴えに対する昨年10月30日の東京地裁八王子支部の判決は、会社の言い分そのままの内容でした。余りの不当さに打ちのめされ愕然としました。原告として、裁判所はもっときちんと両者の主張を聞いて判断するのだと信じていただけに、落胆し、怒りがこみあげて来ています。

 人間の命は何ものにもかえ難く、重いものと思います。それが会社優先の、会社の利益優先の、会社の主張を受け入れるだけの判断であったことに、悲しく思いました。

 わずか24歳の希望にあふれた青年の人生を踏みにじりながら、全て「個人の、直(すなお)の脆弱性に原因がある」とした判決に、不当さを強く感じています。

 新入社員教育が、一人ひとり新入社員の理解に合わせてていねいにされていれば、メモ一枚で指示するようなずさんなことでなく、現場教育のためのOJTもきちんと機能していれば、うつ病に罹った直に専門的にメンタルヘルス対策をとっていれば、退職願いを受理した後に温情という名の出社を月末までさせていなければ、きっと直は命を失うことがなく、現在34歳の人生を送っているはずだと思っています。

 命を自ら失うことの辛さ、追い詰められた厳しさがあったことに、しっかり目をむけていただいて、このような辛い事が、二度と繰り返すことが無いように、私のような辛い思いをする母親は私で終わりにするために、会社の責任を明確にする審理を、高裁でしていただけることを願っています。
 私は夫を3年前に病で亡くしました。夫は息をひきとるまで、直の生きてきた証しをたてることを願っていました。私は二男とともに、直と夫との思いを胸に法廷に立っています。小さい個人の訴えがきちんと公平に審理され、願いが届く事を願いまして、原告の陳述といたします。
                                      以上